【マル政】
率直に言って、「上品な言葉ですね~」とは言えない印象があります。ちょっとした業界用語でしょうか、隠語っぽいニュアンスもありますし、だいいち一般人は使いませんよね。「マル政案件」とか「マル政銘柄」というふうに使われるようです。
意味するところは何かと言えば、(あくまでも個人的見解なので異論があるかもしれませんが)、政治的判断が必要な事柄、といった感じでしょうか。より具体的に言えば、政治家が絡む余地がある事柄、あるいは、政治家が出てこなければ解決しない事柄、もっと言えば、政治家が口を出してくる可能性がある事柄、というニュアンス。
カタカナの「マル」と漢字一文字を組み合わせた言葉はたくさんありますね。思いつくものを挙げてみました。
・マル秘
・マル福
・マル特
・マル優
・マル老
・マル合
・マル障
いずれも漢字をマルで囲んだ判がペタリと押された書類が目に浮かびます。かつ、規則上あるいは手続き上、現実対応としてこのように分類しています、という内部処理的ニュアンスを感じます。カタカナと漢字を組み合わせた言葉って、どこかおさまりが悪いです。また、この例に限らず、業界用語というのは、どんな業界の言葉であってもどこか崩れた感じ、すれた感じが漂うように感じます。使っている人たちに、この言葉を使っているのは選ばれた特定の人間なんだぞという、得意げかつ排他的な意識が想像されるからでしょうか。まったくもって勝手な想像ですけれどね。発祥は、長々と言っていると面倒だから縮めてこう呼ぶことにしましょう、というところから始まったのかもしれませんし、こうして部外者も知っているのでは符牒としての意味を成さないわけですが、符牒的なにおいがまったくないかといえば、やはりまったくないとは言えないように思います。