【きっしょ(吉書)】
「これをきっしょにやってみることにしました。」
文章で読めば、意味はすんなりわかりますね。
「これを機会に」「これをきっかけに」というニュアンスでしょう。
しかし、初めて聞いたとき、「これを きっしょに やってみることに しました」というふうに分けては聞こえないのです。
知らない言葉は始まりと終わりがわかりません。一語なのか複数の言葉の連なりなのかもわかりません。ひどいときには、日本語なのか外来語なのかもわからないこともあります。
たとえばこんなふうに聞こえます。
「これおきしょなってみることにしました」
意味を知っていれば、聞こえない音でも聞こえます。耳って不思議ですね。音を聞いているのではなく、意味を聞いているのです。
それで、「きっしょ」を調べてみました。この使い方は大阪弁だと書かれていました。
転載します。(出所:ウェブの三省堂大辞林 http://www.weblio.jp/content/%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%97%E3%82%87)
吉書。期日を選んで天皇に申し上げる文書。意味が転じた。これをきっしょにやってみなはれ。年末はきっしょやさかい挨拶に行っとかなあかんで。「きっしょを立てる」でけじめをつけること。「けじめ」は囲碁用語から。
世の中には、知らない言葉がゴロゴロしています。ちなみに、この言葉を覚えてから後、テープ起こしの最中にこの言葉が出てきたことはこれまで一度もありません。残念(笑)。次は必ずわかるのになぁ。