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♬ ~初めての言葉~ ♬   テープ起こしで出会う言葉たち

テープ起こしの仕事をしていると、さまざまな言葉に出会います。知らない言葉、聞き取れない言葉、聞き間違った言葉。印象に残る言葉を折々集めてみたブログです。

【コメ法/非コメ法】

文字を見ずにこんな言葉を聞いたら、外国人はおろか、日本人でも〝はてな〟ですよね。

  「こめほう」  「ひこめほう」

ジャーゴン(業界用語)というのは、かくも奇なるものであります。

もちろんこの単語が、何の脈絡もなく突如として人の口にのぼることはありません。何らかの文脈があり、かつ、話すべき人が話す、という前提ですから、どの世界で、どのようなジャンルの言葉として使われているかというのはたいがい見当がつきます。

使われている世界は「官僚」あるいは「官邸」、ジャンルは「法律」あるいは「国会」ですね。

官僚というのは俗称でして、一般的には公務員を指します。霞が関勤務の公務員の方々は国家公務員、その方たちが勤めるのが中央官庁です。

ここからは国家公務員に限定して話を進めます。中央官庁(行政機関)で行なわれているのは行政(執行)。その行政機関のトップは内閣(各省庁においては各大臣)です。逆にいえば、内閣(大臣)が進めたい政策、法案その他の執行をするのが各省庁ですね。その業務を大ざっぱに分けると、法案、予算、指揮監督認可、人事、企画政策という感じでしょうか。

さて、ここでタイトルに戻ります。国の法律はすべて立法機関(議決機関)である国会に提出されます。「三権分立」ですね。中学で習いました。そして、衆議院参議院ともに可決されると法律として成立し、施行されるという流れになります。しかし、国会提出前の裏舞台では、与野党間で法案をめぐる攻防、駆け引きがあるわけです。

法案は「予算関連法案」と「予算関連ではない法案」とに分かれます。そして、それぞれの重要度、審議順番をめぐって与野党で大いなる駆け引きが行われます。その駆け引きを中心になって担うのが与野党国会対策委員会(国対)で、55年体制以来、日本の政治は「国対政治」と言われてきました。表舞台に出ない国対でほとんどの駆け引きが終わり、あとはシャンシャンと儀式が進むという手打ちの世界でした。

そういうなかで、「予算関連法案」であれば2月に国会提出、予算非関連法案であれば3月に国会提出、という慣例ができていきます(慣例ではなく申し合わせかもしれません。これは確認が必要です)。「予算関連法案」か「予算非関連法案」かで扱いがまったく違ってくるわけですね。まずは、そのことを認識する必要があります。

そして、国会提出法案の一覧表を作るわけですが、その際、「予算関連法案」には「コメ(※)印」をつけ、「予算非関連法案」にはつけません。由来はそういうことらしいです。

つまり……

  「コメ法=予算関連法案」

  「非コメ法=予算非関連法案」

が正解です!! ご存じでしたか?

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私はテープ起こしをしているなかで、こうした知識が積み重なってきています。できる限り裏を取ろうという気持ちはありますが、国会対策の実情について、一介のテープ起こし事業者が、国対の重鎮に確認しに行くわけにもいかず、これは、当方が知り得る範囲で得た伝聞、漏れ聞いた話、その他から、このようなことではないか? と思われることをまとめている次第です。

  こめほう
  ひこめほう

音だけ聞いて咄嗟に意味がわかり、正しい字を思い浮かべられる人って、少ないだろうなぁと思います。ググってみてください。そう簡単に出てきません。「知らない言葉は聞こえない」の法則から、正確に聞き取ることも難しいですし。