【蝶々トンボも鳥のうち】
【輜重輸卒が兵隊ならば 蝶々トンボも鳥のうち 焼いた魚が泳ぎだし 絵に描くダルマにゃ手足出て 電信柱に花が咲く】
長いですねー。(笑い)
なんじゃ、こりゃ? という感じでしょうか?
実際の会話ではどんなふうに出てくるかというと……
(オーラルヒストリーを再現しているわけではなく、今、作文してみたものですが)
「私は輜重兵(しちょうへい)でした。いわゆる兵站担当です。蝶々トンボの部類ですよ」という感じ。
おじいさんに、こんな感じでもごもごしゃべられて、陸軍の話だと思って聞いていて、「しちょうへい」も「へいたん」も知らなくて正確に聞き取れなかったりした場合、「ちょうちょうとんぼ」と来た途端にもうお手上げです。
日本陸軍では兵站(食料、燃料、資材等の調達活動)を担当する輜重兵が軽視されていたことをあらわす表現です。輜重輸卒は兵隊ではない、と言っているわけですからね。
正確に覚えていなくても、一度耳にして意味を覚えておくだけで、次に出てきたら聞き取れます。知らない言葉は聞こえない。知っている言葉は(意味を把握していれば)聞こえます。
でも、その後「蝶々トンボ」を仕事で耳にしたことはありません。友人がたまたま、「ねえ、ある人からのメールに、“どうせ私は蝶々トンボよ”って書いてあったんだけど、意味わかる?」と聞かれたので、知ったばかりの知識を嬉々として伝えたものでした。