【原課・原局(げんか・げんきょく)】
まさに霞が関用語です。
「【げんか】の課長は、そのような会議には陪席しているものなのでしょうか」
といった感じでさらりと話されたら、霞が関用語という印象はまったく抱かないかもしれません。
「げんか」の「か」が「課」であることはおそらくわかるでしょう。あるいは、「げんきょく」と言われた場合でも、文脈から「きょく」が「局」であることはたぶん迷わないでしょう。
さて、「げん」をどうしましょう。「現」「原」「元」あたりで迷うことになるのではないでしょうか。英語もそうですが、簡単な言葉ほど使用法も聞き取りも難しいのです。「どうだ~」と言わんばかりにゴツゴツと自己主張するようなジャーゴンなら、「ジャーゴンだな」ということがまずわかりますから、気づかずに素通りしてミスすることも、意味をくみ取り切れないこともないでしょう。
「げんか」のようなさりげないけれど、固有の意味を持つ言葉こそ要注意です。
ちなみにイントネーションは……
同じ「げんか」でも、「現下」「原価」は、「げ」にアクセントがあり、音階に直すと 「ミドド」という感じと言ったらいいでしょうか。それに対して「原課」の場合は、アクセントはなく、だらだらとした感じで、音階でいうと「ドレレ」です。
さて、ウェブで意味を調べてみます。「原課」とは……
「特定の案件を担当している課のこと」
とありました。
http://www.weblio.jp/content/%E5%8E%9F%E8%AA%B2
それじゃ特定の案件を担当しない部署ってどこ? ということがわからないと、この説明ではなかなか納得しにくいですね。
そこで、今度はもう少し組織全体に目を向けてみます。「官房」をwikiで見てみると、ここにわかりやすい説明がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%98%E6%88%BF
ここを読むと、官僚組織(行政組織)は、所掌内容の異なる「官房」と「原課」から成っていることがわかります。「官房」が司るのは、行政組織の内部管理と行政事務の総合調整。中でも重要なのが人事、文書、会計の3つです。一方、「原課」がいわゆる一般の行政事務(内部向けではないもの)を司ります。
官房的な業務を担当していても、名称が「官房」ではない場合もありますが、意味合いとしては、行政機構の内部は、「官房」か「原課」に大別されるわけですね。
行政関係の仕事をする場合、必須単語です。