【一丁目一番地】
「最も重視すべき事柄」の意味で形容詞的に使われます。
仕事のなかで圧倒的に多く聞くフレーズが「一丁目一番地の政策」です。優先順位が最も高く、とにかく最優先で実現すべき政策、というニュアンスですね。
政治、行政の分野では普通に使われる表現ですが、ちょっと可愛い感じがしてキライじゃありません。直接的ではなく、どこかレトリックを感じさせる、つまり、大人の表現といった感じがしませんか。
「消費税問題は、戦略的に何が何でも実現すべき政策だから」なんていうとものものしいけど、「消費税問題は一丁目一番地の政策だから」と言ったほうが語感もやさしいし、余裕が感じられますよね。
しかし、ちょっと人ごとふう、当事者の物言いではないように聞こえるでしょうか。その印象は正しいと思います。例えば対抗政党の話として使ってみると、普通の表現と感じられていたこの言葉、いきなり棘のある印象になります。
「○○党は選挙戦の最中は、△△△の政策について盛んに“一丁目一番地”と言い立てていたくせに、選挙が終わったらまったくおくびにも出さない」みたいな文脈で使われます。
つまり、「これこそがいちばん大事なんだと(必要以上に)言い立てる」といったニュアンスが含まれるわけです。ですから、「大騒ぎしている」という雰囲気を出したいときに使う形容詞だ、という解釈をしても、あながち見当外れではなさそうです。
政治・行政以外で使われているのを見聞きされた方がいらしたら、ぜひお知らせください。